その関東七大学ライトミュージックフェスティバルで緊張してた理由はもう一つあってね。その新橋ヤクルトホールの会場にお客さんを呼んであったのよ。
とある大企業のクリスマスの社員交流会で演奏するっていう営業の話しが来てて、まずは主催事務局の方に実際の演奏聴いてもらって判断してもらうことになってた。終わった後に挨拶したんだけど、OK貰えたから、それなりにステージの出来は良かったってことになんのかな。
ほぼ初めての営業の仕事が出来たので、後日先方と打ち合わせをした。
「クリスマスパーティーの会場でこの間のファンクやるのもどうですかねぇ?」って聞いたら、ジャズをやれって言ってきた。
はぁ?ジャズ?
よくわからなかったんで、その筋に詳しい、ベースのくせに弦が6本あるデカいMOONっていうベース持ってる先輩に相談にのってもらった。
この時の演奏した記憶が全くないんだけど、何の曲やったんだったかなぁ。まーったく覚えておらん。
結局は、選曲だけじゃなくて当日PAもやってもらうことになって、そのデカいベースの先輩に大変お世話になった事だけは覚えてる。
いや、そもそもそのベースの先輩が首謀者だったんだっけか?
ま、いいか。
アンプやらPAやらの機材は全て部室からホテルの会場まで自分たちで車で運んで、ローディなんかいないから自分たちでセッティングして音を調整して、演奏して、金屏風の裏で用意してもらったご飯食べて、片付けも自分たちでして、帰ってきた。
ギャラは10万円。
その営業に関わったのが5人だったから、一人当たり2万円。
時給にしたらすごい高給だと思えるんだけど、実際には練習のスタジオ代だとか機材運ぶのに借りたレンタカーのトラック代とか経費込みだから、完全に足が出てた。明らかに赤字。
それだけど、いい勉強になった。やっぱり、これでご飯は食べていけないなぁって。音楽で飯食ってくことは早々に無理だと悟ったからね。
そんなワケで、大学四年になるかならないかのうちから就職活動には没頭したのよ。
でも、バンドやってるからってマスコミ志望とは限らないのよ。レコード会社とかテレビ局とか出版関係に行く先輩が多かったのは確かなんだけど、どうも自分としては苦手に思ってね。
最初から普通のサラリーマン目指して、情報系や通信系の会社を中心に周りました。当時は「文系の方がシステムエンジニアに向いてる」なんて言われてた時代でさ。職種は何?って聞かれた時の答えがカタカナで「システムエンジニア」って何かカッコいいじゃない的なノリですよ。
大学でちゃんと勉強してなかったから、会社入ってから会社の金で、給料もらいつつ手に職つけられるなんて調子のいいこと考えたりもしてね。
就職活動中も毎日スーツ着て部室にだけは顔出してたな。四年生は秋の学園祭と卒業ライヴくらいしか出番がなかったから、毎日顔出す必要なんかなかったんだけど、現実逃避にはもってこいだったんだろうね。スーツ着たままでも、ギター抱えてポロンポロンいじってるだけで落ち着くっていうかさ。なんとなくね。
ウチらの同期は堅くてね。就職先は金融・製造業・公務員なんてヤツばかりだった。部の先輩を頼ってOB訪問とかもしてさ、何社も受けましたよ。それでもバブル末期の臭いがまだ残っていたから、何とか就職先見つかって、7月にはもう遊び始めてたかな。
四年生はホントは夏合宿には行かないんだけど、途中から顔出したりしてね。後輩たちからしたら、ホント大迷惑な話なんだけど。ウチの部は文化系の軽音楽部なんだけど体育会系並みの完全なる縦社会。年次の差は結構シビアな感じで、一年生は四年生に話しかけちゃダメなんて暗黙のルール=鉄の掟みたいのがあったりして、それをみなキチンと守るんだよね。ボクを含めその規律をナンも気にせず平気で破る奴もいたけどさ。
だから、来ないはずの四年生が突然合宿に現れると迷惑以外の何者でもないのよ。あんまり後輩たちからも慕われてなかったしなぁ。怖がられてたのかな?
秋の学園祭で何やったんか、あんまり記憶に残ってないんだよね。たぶん、それまでにやった曲を練り直してやったんじゃなかったかな。RED HOT CHILI PELPERSの「Suck My Kiss」やったのはこんときだっけっかなぁ?よく覚えてないや。
たぶんね、もうバンドに対する情熱だとか熱意みたいなもんが、どっかに行っちゃってたんだろうね。
就職も決まって真面目なサラリーマンに成ることが決まってたし、夢なんかとっくになくしてたし。サッサと卒業して、今度は社会というフィールドで己の力を試したかったんだろうね、違う方向でさ。
それでもなかなか切っても切れないのが音楽とのお付き合いってヤツね。
通勤電車では必ず今でも音楽聴いてるし、車を運転するときにも音楽かけないと落ち着いて運転できないし。
好きなアーティストの新しく出したアルバムは必ず聴きたくなるし、来日してライヴやるって情報掴んだら何が何でもチケット手に入れようと思うしね。
社会人になってからは働くことがメインで、学生の時の何でもかんでもやらなきゃならない忙しさとはまた違っていた。
取りあえず仕事に集中しときゃ、それで安定した収入が得られた。それをつぎ込むようなたいそうな趣味も持ち合わせていなかったから、ひとまず好きなCDをしこたま買い込んだね。中学の頃に聴いていた、あのレンタルレコードでカセットにダビングしたアルバムがCD化されてるなんて聞くと、必ず買ってたもんな。
特にバンドやり続ける予定もなかったのに、新しいアーティストの発掘のために雑誌買って、レビュー見て、取りあえずCD買って。月に10〜20枚は買ってたんじゃない?たぶん。
いつか、そんな好きなアーティストとその曲が入ったアルバムでも紹介するかな。
ジャケットの写真載せて、YouTubeのリンクとかも貼ってね。
そんな芸当が果たして出来るかどうか?
少し勉強してみます。たぶんiPhone単体だと難しいので、PC使うことになると思うんで、ちょっと時間下さい。
んじゃ、長々とダラダラ続いたこのシリーズ「ボクラの音楽」は、今回をもって一旦終了ってことで。
(おわり)
0 件のコメント:
コメントを投稿