【当ブログの説明】

こちらは、かつてPosterousというミニブログサービス上で運営されていた「ほぼ日刊ひろさの」及び「煩悩の赴くままに」というコンテンツを再生することだけを目的に開設されたブログになります。
全部で400近いエピソードが収録されておりますが、2011年3月から2012年10月までに書かれたエントリーですので、かなり古い情報も含まれておりますことをご了承願います。

2011年3月15日火曜日

013:【記録】2011/03/15 日常

しばらくは、朝起きてまず最初にする事が電車の運行状況の確認になりそうだ。

PCを立ち上げるのも億劫だから、携帯に届くYahoo!交通情報メールで確認する。昨晩の報道にあったとおり、一時の混乱は落ち着きを見せたようで、通常の5〜7割程の本数ながら電車は動いているらしい。

計画停電の予定は相変わらず直前にならないと判らない。朝一番の6:20からのグループに入る地区の人は気が気じゃないだろう。今日も、実際にはグループの一部の地域のみ7時頃から停電する模様だ、とTVのニュースが伝えている。ウチは9:20からのグループに入っているので、カミさんが朝食の準備と並行して、早々に洗濯機を回し始める。

昨日はボクの意図的な判断ミスもあって、通勤というつまらない日常をとても素晴らしく楽しいイベントに変えてみせたのだが、そんな事を毎日続ける体力的余裕もなければ、実際に自転車も会社に置いたままだったので、仕方なくいつも通りの手順で出社の準備をする。いつも以上に通勤に時間がかかるだろうからと慌てたりもせず、遅刻なら遅刻でいいやと開き直るわけでもなく、あくまでも自分のペースに忠実に、淡々と、ほぼ決められた手順に則って支度を整えるところがB型のB型たる所以なんだろうか。

家族に精一杯の愛情を込めて「行ってきまーす」と玄関を出る。

街はいつもと変わらず、いや、若干人の出が少なめに見える。やはり勤勉なサラリーマンはいつもより早く出かけるものなのだろうか。やはりボクはサラリーマンとしては失格なんだろうな。

駅に向かう道を歩いていると、車の交通量が通常よりも多いことに気づく。だが車は動く様子もなく停車した列が続いている。早くも渋滞かと思いきや、先頭の車の先に見えるのはガソリンスタンドだった。街中の小さなガソリンスタンドで、大きな街道沿いのそれよりも価格設定が高めだからか普段は閑散としているはずのガソリンスタンド。そんなところにも、これだけの車が朝早くから押し寄せているところを目の当たりにすると、いよいよ「ナクナルカモシレナイ症候群」は手を着けられないほど蔓延していると実感する。こいつはかなりの重症とみた。

最寄りの駅に着く頃まで、徒歩で駅に向かう人はまだまだまばらだった。駅のホームに降りても閑散としている。おかしいな。電車は動いているはずなのに、そんなにみなさん早く会社に向かったのだろうか?

電車はほぼ10〜15分間隔で運行されているらしい。ホームに降り立ったのは2分後に電車が来る時間だった。最寄りの駅は始発から一駅目なので、座れることはなくても混み過ぎて乗れないなんてことはないはず。吊革に掴まってしばらく立ってれば、運が良ければ座れることもあるだろうと、たかを括っていた。ホームに電車が滑り込んで来たときに、その予想が余りにも楽観的すぎた事を思い知る。先頭車両から窓にへばりつくくらいの満員だった。たぶんこうだ。みなさん隣の始発駅までわざわざ遠回りしてでも電車に乗ろうとしているってことだ。なるほど。真面目なサラリーマンはやることが違うな。

幸いにも、若干空いている車両に乗ることが出来たので、吊革の確保に成功。棚に鞄を載せてiPhoneでTwitterの朝の挨拶を始める。いつもなら武蔵野線との接続がある南浦和で少し空くはずが、本数が少ないので降りる人以上に乗り込む人がいる。混雑は変わらない。先週土曜日の帰宅時よりは全然楽だったのが救いだ。

赤羽−田端間は一番の乗車率区間だった。前に座るオジサンの足の間に片足を滑り込ませ、斜に構えて手すりで身体を支えなければならなかった。この間Twitterでpostなんか出来やしなかった。田端で山手線と並行するので、気の早い人はそちらに乗り換えていたが、逆に山手線の方の乗車率が跳ね上がってしまったようだ。体勢を戻してTwitterの続き。

上野駅で目の前に座るオジサンが降りた。ボクはあと少しで降りることもあって、隣に立っていた少し年上に見える女性に席を譲ろうとした。すると、反対側に立つ若いサラリーマンがボクを押しのけて座る気配を見せたので、わざわざ手で制して女性に「どうぞ」と声をかけなければならなかった。そのサラリーマンがこちらを見ていたので、満面の不敵な笑顔で応えさせていただく。先に目を逸らしたのは若いサラリーマンの方だった。よし!ボクの勝ちだ!と小さな勝利を噛みしめた(これはTwitterでも女性に好評だったので、記録しておくことにした)。

会社には普段よりも10分遅れで到着。停車する度に人の乗り降りに時間がかかるから仕方がない。始業には余裕で間に合ってる。職場には昨日よりも多くの人がすでに出てきていた。

昨日、電車が混雑してるので出勤を止めさせた妊婦の後輩が早くも席に座って仕事をしていた。電車大丈夫だったか?と声をかけると、始発で来たという。大事な身体なんだからこんな時ぐらい無理すんなと言っておいた。後から考えると、これって捉えようによってはセクハラ?いやいや、考えすぎかも。

震災に端を発した関連業務は目まぐるしく増えていく。ひとつ片づけるとまた新たな課題が浮上する。いろんな部門を跨いで調整しなければならない事も多い。みな大変な時なんだから自部門の利己的な主張は自重してほしいのだが、なかなかそうも行かない厄介な奴もいて、余計に手間をとらせる。自ずとタバコの本数が増える。いかんいかん。

こんな毎日がしばらく続くんだろうな。やがてそれにも慣れて、これが日常と化すのか。少し楽になれば、またそれが日常となり、そんなことが繰り返されて行くのだろうか......。

午後、カミさんからメールが入った。結局、停電はなかったとのこと。明日は朝一番の停電が予定されてるらしい。埼玉県でも放射線が検知されたらしいから、できればマスクをして帰ってきた方がいいと。

やっぱ違った。まだまだ慣れそうもないや。こんな事に慣れちゃダメだ。こんな気疲れする生活は、いつまでも続いたらダメなんだ。

朝、長男が、今日はコロコロコミックの発売日だ!と騒いでいた事を思い出し、カミさんにメールの返信でもう買いに行ったのか?と聞くと、帰りに買ってきてやって欲しいと返事が帰ってきた。

今日は急いで帰らなくちゃならない大事な用事ができてしまった。さっさと切り上げて帰らなきゃ。残りの仕事を片づけるために、タバコを消して席に戻ろう。

(おわり)

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