【当ブログの説明】

こちらは、かつてPosterousというミニブログサービス上で運営されていた「ほぼ日刊ひろさの」及び「煩悩の赴くままに」というコンテンツを再生することだけを目的に開設されたブログになります。
全部で400近いエピソードが収録されておりますが、2011年3月から2012年10月までに書かれたエントリーですので、かなり古い情報も含まれておりますことをご了承願います。

2011年3月28日月曜日

025:ボクラの音楽!の巻#10

大学三年生になると部活動の中心になんのね。

そこまで続けてる同級生も少なかったんだけど、残ったメンバーの中で、一番先輩に噛みついてて同級生から一目おかれてたのがボクだったから、自然とバンマス(いわゆる部長みたいなもんね)ってことになった。

四年生は就職活動で忙しいから、対外的な合同ライブとかは三年生が中心に、よりすぐりの精鋭でバンド組んで出演する事になってたのよ。

春と秋に定期開催されてた「関東七大学ライトミュージックフェスティバル」ってのがあって、そいつに出演するのさ。なぜか東大を除いた東京六大学と日大とどっかの女子大(忘れた)で全部で七大学ね。

まだやってんのかなぁ。20年以上も前の話しだからね。

春秋年二回の開催だったから、春は女性ボーカルでバンド組んで、杏里をやったんだな。確か「ブギーワンダーランド」がメインの曲だった。ボクはコーラスと、サンバでよく使われてるホイッスルの担当だった。イントロで「ピーピーポッポ、ピーピーピーポッポ」ってな感じでサンバのリズムで吹くだけなんだけど。

この時ばかりは衣装にも少しは気を使ってね。浅草の仲店通りまで「祭」って背中に書いてあるはっぴを買いにいってさ。コーラス隊は色違いでそれ着るの。それ一回しか使わない衣装だから、終わったらバイト先のお客さんの、英会話学校の先生(アメリカはロスからいらしてた方)に献上させていたどきやした。

秋は、ボクがメインボーカルで、バンド組んだ。そこでようやくプロ顔負けに上手いギターとベースのコンビと本格的にバンド組めることになってね。

それまでも遊びで一緒にスタジオ入ったり企画物のバンドを組んでいたことはあったんだけど、今度は各校との合同ライブに出演するバンドだったから、真剣だったよ。

ギターのヤツがGuitar MagazineとかYoung Guitarから厳選して選曲してきた曲を聴いて、そのバンドの過去から現在までのアルバム聴きまくって更にいい曲選んで、それをスタジオで何度も何度も練習して。

ボーカルは歌うだけだから楽そうに思うでしょ。ところが輸入盤だと歌詞カードがついてなかったりするから、歌詞も耳コピしなきゃなんないんだよね。

英語が苦手でさ。耳から聞こえてくる音を拾って、とりあえずカタカナ書くの。それを英語表記にしようとするんだけど、難しくてね。むしろカタカナのままの方が、歌うときにいいんじゃね?ってことにして、基本はそのまま放置。

例えば「What is your name?」って書いてあるものは「ワッチャネーム?」って発音するでしょ。だったらカタカナのままの方が正しく歌えるような気がするでしょ。しない?

そんな感じでノートにカタカナの羅列がビーッシリと書いてあって、それをバンドのメンバーが見ても何語かわかんないし、何かいてあるか解読できないの。

いいのいいの、コピーバンドはオリジナルにより近い方が。どうせ聴いてるヤツらも何言ってんだかわかんないんだから。雰囲気が大事なのよ。そんなもんさ。

そのノートを後生大事に持ち歩いて、Walkmanで曲聴きながら、まずはメロディーラインを覚え、その後に意味の分からんカタカナの羅列を丸暗記。受験勉強なみの努力が必要でしたよ。たったの5曲なのに。

あと、ただスタンドマイクの前に立って歌うだけじゃつまんないから、フリとかつけて軽く踊ったりしなきゃならなかったりするのよ。ボーカルの女の子を数人コーラスとしてメンバーに入れて、振り付けてボーカルも一緒に踊んの。楽しそうでしょ。

練習するスタジオにはたいてい鏡があるから、歌いながら振付の確認したりしてさ。一端のプロのミュージシャン気取りだったね。ブレイクにポーズを決めるってだけの簡単なフリだったんだけどね。

曲は、Stevie Salas ColorcodeDan Leed Networkからそれぞれ選曲して、ラストの曲は何故かユニコーン「スターな男」にした。だって盛り上がるじゃない?ギターソロ長いし、ギター二人いたから掛け合いするパートもあるし。

今回は衣装らしい衣装は用意せず。いつもの革ジャンとTシャツとGパンとブーツとサングラス。髪は三年になったときにバッサリ切ってた。見た目怖くて女の子がなかなか近寄ってこないってのもあったけど、何か汚らしくてね。ちゃんと風呂入ってトリートメントもしてたんだけどさ。手入れも面倒で。新入生の子と付き合い始めたってのもあったかな。ははは。

会場は新橋のヤクルトホールっていうところで、1500人くらい入るホールだった。今までそんな大きなところで演奏したことなかったから、すんごい緊張してね。ステージも真ん中にセリっていうのかな?よくファッションショーでモデルさんがウォーキングするじゃない、ああいう通路みたいのが延びてて、ボーカルはワイヤレスのマイク使うから自由に歩き回れんの。

ステージに立つとピンのスポットライトがあたるから、ほとんど客席は見えないんだけどね。袖から会場の客の入りは確認してたから、始まる前から胃がキリキリ痛みだしてさ。出番は無難にこなしたんだけど、終わった後に神経性胃炎で楽屋の床をのたうち回ったよ。意外とノミの心臓だったんだよ。小さい男さ。

(おわり)

0 件のコメント:

コメントを投稿